原発の是非を問わないシンポジウム

2012年4月7日に、「ふじのくに浜岡原発を考える会」主催によるシンポジウム「東海地震と浜岡原発」が、静岡市で開催され、約200名の方がご参加下さいました。

このシンポジウムでは、浜岡原発の是非を問うのではなく、「東海地震により浜岡原発が放射能漏れ事故を起こした場合の、防災計画策定のきっかけを作ること」「行政との信頼回復と対話」を目的としました。


第一部では、情報伝達方法、避難方法、ヨウ素剤の配布方法など8つの議題について、静岡県職員、牧之原市長、原子炉専門家、地震・防災専門家が、現状と課題について発言をしました。そして第二部では、市民パネリスト二名を加え各議題についてディスカッションを行いました。

浜岡原発は再稼働しない原発の是非は問わない条件でディスカッションをしたのですが、パネリスト全員が、被害を最小限に抑えるには、「原発は再稼働しないことが一番」という結論になりました。また、浜岡原発の設計にも携わった原子炉専門家の渡辺敦雄氏からは、「全電源喪失状態になっても使用済み核燃料を冷却できるように、現在の水冷式ではなく、津波の影響を受けない高台に乾式(空冷式)貯蔵施設を作り保管する」ことが提案されました。


第二部は、市民、行政、専門家が、同じテープルに座り、「現実的な防災計画策定」に向け、対立することなく、冷静に、忌憚のない意見交換ができました。とても意義あるディスカッションです。ぜひシンポジウム録画をご覧下さい。

 

障がい者、高齢者に考慮した防災計画を

また、防災計画は、健常者を中心に策定されている場合が多く、災害時は障がい者、高齢者など社会的弱者が最も厳しい状況に置かれます。事実、東日本大震災では、情報伝達が不充分なため、難所で食事を得ることができなかった聴覚障がい者の方もいました。そのため、シンポジウムでは、健常者に障がい者の存在を再認識してもらう目的を兼ね、聴覚障がい者のための手話通訳、要約筆記、磁気ループ(補聴器を補助する機器)を用意しました。

他人、国任せにしないこと、そして対話を

中部電力の社員の方にパネリストとしてご出演いただくよう依頼をしたのですが、出演していただくことができませんでした。次回、このようなシンポジウムを実施する時は、ぜひ、中部電力の社員の方にご参加していただきたいと思います。


安全で安心できる社会を作るのは、国ではなく、私たち市民です。市民一人一人が、他人、国任せにせず、原発のことを自分のこととして考え、社会に対し自ら働きかけ、対立ではなく対話をすることで、現実的な防災計画を策定できると思います。シンポジウムで挙がった意見と課題、シンポジウムHPに寄せられた質問は、提言書としてまとめ、静岡県、県内の市町、中部電力に届ける予定です。


このシンポジウムは、財団法人大竹財団の助成金と企業からのご寄付、そして多くの市民の皆様のご協力により実施できました。パネリストの皆様、ご来場下さった皆様、静岡県聴覚障害者情報センター・手話通訳・要約筆記者の皆様、報道機関の皆様、シンポジウムに関わって下さった皆様(ボランティア、事務局スタッフ)、ありがとうございました。心から感謝申し上げます。

 

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